いぬまるの本棚

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【眼球堂の殺人】神とか数学とかThe Bookとか

みなさん、こんにちは。

図書館長わんこです。

 

今回ご紹介する本は

「眼球堂の殺人」

眼球堂の殺人 表紙

 

です。

個人的に、なかなか衝撃的なミステリでした。

もしかすると、人によっては途中でトリックがわかってしまって、読むのをやめてしまったりするかもしれません。

 

でも!

それでも!

とりあえず最後まで読んで欲しい作品なのです。

 

そんな評価となった理由も含め、見ていきましょう。

(※ネタバレは一切なしです。)

 

 

概要

それではまず「眼球堂の殺人」の概要です。

著者:周木律

出版社:講談社

 ストーリー概要:

放浪癖のある数学者「十和田只人」とジャーナリストの「陸奥藍子」。

二人は、天才建築学者驫木煬」からの招待を受け、通称「眼球堂」と呼ばれる、彼の邸宅へと赴いた。常人では理解できないようなつくりをした眼球堂。そこで二人は次々と奇妙な事件に巻き込まれていく...。

 

全七部構成で続く「堂シリーズ」の第一作目であり、周木律 先生のデビュー作で第47回メフィスト賞受賞作である本作。

いわゆる、理系ミステリの館モノです(タイトルからも想像できますね)。

 

この作品に登場する建物、館は

非常に摩訶不思議!

そんなもの本当にできるの?とも思うようなものばかりです。

しかし、実際にあったら行ってみたい...とも思うはずです。

 

著者である周木律先生は、某国立大学建築学科卒業とのことで、まさに自分のフィールドで書き上げた小説って感じです!

 

本作の魅力(主観)

さてさて、ここからは本作の魅力(ばりばりの主観)について書いていきたいと思います!

読者を置いてくほどの理系用語

はい。笑

先に注意書きしておきますが、

これ、悪かった点を言ってるんじゃないですよ。笑

私が個人的にすごく面白いな〜と思ったところです。

 

前述しましたが、本書は理系ミステリ。

使用されているのはまさに理系的なトリックで張り巡らされた謎たちです。

森博嗣先生のS&Mシリーズや、東野圭吾先生のガリレオシリーズのような)

 

なので、多少数学用語が物語に登場するのは仕方ないというか、当たり前な感じですが

この堂シリーズにおいては、異常と言えるほどでてきます。笑

そしてシリーズを重ねるごとに難度は増していくようにも感じます。

 

その用語について、説明されるものもありますが、なんの説明もなく流れていくものもあります。

それを調べてみるのがとても面白い!

 

おそらく、数学者でなければ(または本書に出会わなければ)知り得ないような、それこそ謎に満ちたミステリ小説の摩訶不思議トリックのような、数学達。

調べれば調べるほど不思議で、理解を深めるためにまた別の公式を調べ始める...。

 

気がつくと本書から脱線に脱線を重ね、内容に全く関係のない公式についての文献を読んでいる自分がいるのです。

ふと我に帰った時の愉快さと言ったら、説明し難い面白おかしさなのです。

(ああ、この気持ち共感したい。笑)

 

キャラクターたち

ざっくり、「キャラクターたち」と題しました。

キャラクターたちの何が魅力的なのかといいますと

堂シリーズの登場人物たちは、小説でありながら漫画のような雰囲気を持っている、と私は思うのです。

 

ん?と思う方々もいると思います。

むしろそれが大多数な気もします。

 

良い意味でキャラクターにリアリティがない、とでも言いましょうか。

いえ、これはキャラクターが不自然である、と言っているのではないですよ。

 

小説の、創作物のキャラクターとして自然に表現されている気がするのです。

現実的な小説の主人公Aではなく、あえて言うならば名探偵コナンのような。創作物のキャラクターとしていきいきとしているように感じるのです。

だから親しみやすく、スゥッと頭に入ってくるような感じなのです。

 

...伝わるでしょうか。

伝わらないですかね...。笑

 

少しでも「どういうことだ??」と思った方は、是非本書をお手にとって読んでみてほしいです。

 

最後に

少し早いですが、この辺でレビューを終わりにしたいと思います。

まだまだ語り足りない部分がたくさんあります!

しかし、これ以上語ると、本書の確信的な部分にせまってしまい、あらぬところでネタバレをしてしまうかもしれません...。笑

そうなってしまう前に、自ら手を引こう、というわけです。

 

本書「眼球堂の殺人」のネタバレを含む感想については、次巻「双孔堂の殺人」のレビューで少し、触れていきたいと思います。

 

それではまた次回のレビューでお会いしましょう。

拙い文章ですが、最後まで読んでくれたみなさま、もしくはこのページを開いてくれたみなさま、本当にありがとうございます。

次回はより楽しい文章を。

どうかみなさんが有意義な読書タイムを過ごせますように。